ついに発売!PPSE ’79

ご覧いただきありがとうございます。

Vin-Antique (ヴィン-アンティーク)は、

ついにオリジナルエフェクターをローンチいたします。

その名もPike Place Smoky Emerald 1979

略してPPSE’79

この記事ではこのエフェクターの開発における様々なこだわりをお話します。

PPSEの意味

PPSEというのは、筐体のグレーががった緑色に由来してます。

昔ちょこっとだけアメリカのシアトルにいたことがあるんですが、

そこにパイクプレイスマーケットという市場がありまして、

そこでよく使われているアメリカンアンティークな緑色が好きで、

それをイメージして塗装してます。

そのやや灰色がかったエメラルドグリーンにちなんで、

Pike Place Smoky Emeraldという名前になりました。

また、画像をみてもらうと分かるのですが、

外壁の塗装などで好まれるゆず肌仕上げにしてあります。

この塗装は、遠くから見るとまた違った表情になるので面白いです。

’79の意味

そして、79年というのはTSが世に生まれし年。

これがいわゆるTSです
これがいわゆるTSです

PPSE’79はこのTSをベースにしています。

そこでTS系ですよーということで、TSの生まれ年である1979を名前につけました。

79年製のTSの音色を真似したというわけではなくて、

このサウンドの原点は1979年に遡るんだよーといった具合の意味です。

回路説明

本家のMID感はそのままにプレゼンスを少し持ち上げて、

ピッキングニュアンスを出しやすくしております。

音の分離感は結構いいんじゃないかなーと思います。

ただ、TONEを絞れば本家のTSと似たような音も作れます。

個人的に本家のTSは真空管アンプとつないで本領を発揮すると思っているのですが、

PPSE’79は、JC-120のようなトランジスタアンプでもメインの歪みとして使えるように設計しました。

ということもあって実はあんまり本家TSの原形をとどめてないです。

真のビンテージTSとかを探している方にはちょっと合わないかもしれません。

では内部画像を見ていただきましょう。

クリッピング回路

まず左上にクリッピングダイオードが全部で6つあります。

非対称クリッピングを採用しています。

こんな感じでローゲインから非対称に軽くクリッピングしているので、

プリアンプ的に使っていただくことも可能です。

IC

さて内部画像に戻りましょう。

ICを2つ搭載しています。

片方は、増幅用のオペアンプです。

アナログ・デバイセズのOP275です。

いろいろ試した結果、これが今回のコンセプトに最もマッチしていました。

OP275を採用したことによって、位相補償用のコンデンサ(黄土色のちっこいやつ)は100pFにしています。
※Ver.2では黄土色のMLCCは、WIMAのFKP2シリーズに変わっています。

ちなみにこの位相補償用のコンデンサには精度も安定性も高いものを使っています。

さて、もう一つのICですが、こちらはICL7660Sという電源用ICです。

このICを使うことにより両電源駆動しています。だいたい±8Vぐらいで動いてます。

両電源にしたことにより、入力のカップリングコンデンサを省くことが可能になりました。

※Ver.2ではより安定度を高めるためスチコンをカップリングに使っています。

いろいろ試したところスチコンだと特に音色が変化しなかったので採用しました。

スチコンは自動のはんだ付けに対応してなかったりするので、

市販の製品ではあまり見ませんが、かなり性能の良いコンデンサです。

これによりダイレクトに、ギターの信号を増幅部分に入力する回路となっています。

電源回路のコンデンサ

少し電源の話をしたので、

電源に関わるコンデンサについて少し説明します。

OP275のすぐそばにある白い四角いコンデンサは、OP275用のバイパスコンデンサです。

これがついてないエフェクターもたくさんありますが、

やっぱりつけたほうが安心ということでつけてます。

4つある黒い円柱形の電解コンデンサは、

電源用に作られている日本製の信頼できるコンデンサです。

電源以外のコンデンサ

トーン回路には精度5%品の高精度のWIMAをつかっています。

めちゃくちゃ有名なフィルムコンデンサですので、詳しく説明する必要もないかもですね。

そして今回の目玉コンデンサは、黄色い大きいコンデンサです。

僕の個人的なこだわりで、ここにはアキシャルタイプのでっかいコンデンサを載せたかったんです。

それに両電源駆動になったことで、信号経路に直列なコンデンサはこれだけなんです。

※Ver.2では入力にカップリングコンデンサが入っているため、
直列なコンデンサはこの黄色いコンデンサと前述したスチコンのみです。

だから半端なものは使いたくなかったわけです。

ドーンっていう見た目の余裕みたいなものを出したかった。

それで、これまたいろいろ試した結果、

Illinois Capacitor製のコンデンサを採用しました。

このコンデンサを使っているエフェクターを他であまり見たことがありません。

ちょっと面白いと思います。

抵抗

次に抵抗についてですが、

全てにメタルフィルム抵抗を使っています。

理由は単純です。

できる限り電流ノイズを減らしたいからです。

抵抗は熱ノイズと電流ノイズの2種類のノイズが発生するんですが、

熱ノイズに関してはカーボンとメタルフィルムに差はありません。

ただし、電流ノイズに関しては、メタルフィルムは構造上有利なわけです。

というわけで今回は全てにメタルフィルムをつかっています。

また一番電流が流れるところには、

突入電流も流れることを考えて1Wのものを使ってます。

電流ノイズとか突入電流とか正直ここまでやらなくていいような気もするのですが、

まあロマンということで笑

次にポットですが、

これにもこだわりがありまして、

基本的に全部にこだわりがあるんですけどね。

ダストカバーがついているAlpha製の信頼できるポットを使っております。
※Ver2以降では、ダストカバーがついていることに変わりはありませんが、
メーカーはそのとき仕入れやすいものを使っていたりします。

何かしらの粉が接点についてトラブルが起きたら困るので、

ダストカバーがついてないPOTはできるだけ使いたくないですね。

フットスイッチ

そして、なにげに大事なフットスイッチ。

僕自身フットスイッチの踏み心地にはこだわりがありまして、

ソフトだけどクリック感があるものがいいわけです。

いろんなスイッチを試しました。

Alpha製も良いんですがやや硬いんですよね。

最終的に今の押し心地ベストなスイッチにたどり着きました。

色は特別にオーダーしています。

写真ではわかりにくいですが、ブラウンカラーです。

この色のおかげで裏蓋を開けて中を見たときの見た目のバランスが良いんですよね。

LED

次にLEDですが、

やっぱりVin-Antiqueというのはコンセプトとして、

VintageかつAntique家具っぽいをイメージしていますので、

温かい色のLEDが良いわけです。

これはいろいろ試して一番自然な暖かさを感じた色のLEDにしています。

まとめ

こんな感じで僕のこだわりがとても詰まっています。

もちろん電池対応です。

ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。

※ハンドメイドで塗装や文字の印刷等を行っているため、

細かいキズや塗装ハゲ、字のカスレ、滲み、などはある程度どうしても出てしまいます….

ご了承ください。